パテック フィリップは、時計の美しさは、ほんのわずかなディテールによっても高められると考えています。
パテック フィリップでは、美しさが最も重要です。しかも美しさとは、タイムピースの純粋なデザイン美学を超え、ムーブメント、ケース、文字盤から数字まで、すべての構成部品の機械的な完璧さを意味しているのです。この完璧な美しさの終わりのない追求は、比類のないレベルの品質と卓越したクラフトマンシップを必要とします。では少しでも完璧でないものが受け入れられないということは、パテック フィリップの時計の数字にとっては何を意味するのでしょうか?
ある時、パテック フィリップ社長ティエリー・スターンが、新しいタイムピースのために、待つことは厭わないので、手作業で植字する最も美しいゴールドの数字を製作してほしいと希望しました。確かに何年もの歳月が必要でした。きわめて小さなサイズの数字は、複雑さと微細さのため、植字ではなく、転写するのが普通でした。しかしディテールへの忍耐強い配慮と完璧さへの意欲は報われました。「ソリッド・ゴールドの数字のお蔭で、このパテック フィリップ時計の美しさは違ったものになりました。重要なのは美しさです。」
完璧な数字の美しさ
パテック フィリップ時計の場合、通常、レトログラード日付表示の数字は文字盤に転写されます。パテック フィリップは、5496モデルではここに改善できる余地があり、さらに美しさを引き立てることができると感じました。そのため、レトログラード日付表示を備えたこの永久カレンダーの新しいバージョンでは、ソリッドゴールドの数字が一つひとつ仕上げられ、手で植字されました。開発には、そのサイズと複雑さのために何年もかかりましたが、最終結果はその美しさと仕上がりにおいて絶妙でした。これは、完璧を目指して努力する時、忍耐が不可欠であることを如実に証明するエピソードです。
かけがえのない手仕上げのスキル
ゴールドの数字は、当社の手仕上げ(Savoir Faire)への注力の一例であり、なぜこれがパテック フィリップの哲学に不可欠なのかを示しています。私たちは、各々の時計が、長年にわたって培われ、時には世代を超えて継承されてきたスキルを備えた、熟練したスペシャリストによって手仕上げされていることに大きな誇りを持っています。
手仕上げ(Savoir Faire)とは?
「手仕上げ」という用語には、時計の構成部品が工作機械から出てきた後、手作業で丹念に行われる、さまざまな細かい装飾や微細な改善が含まれます。あらゆる種類の手仕上げには、苦労して得た知識や何世紀も伝承されてきた技術が必要です。また、肉眼で見るのがむずかしいほどのきわめて微細な表面に対して行われることが多いため、優れた器用さも必要です。
パテック フィリップ・シール
パテック フィリップ時計の美しさは、宝石のような精緻な仕上がりです。これは巧妙さ、献身、敬意を持って完全に手作業で行われ、機械が行うのは困難です。パテック フィリップがこの分野で比類のない存在である理由です。この卓越性の規準はパテック フィリップ・シールに具現化されています。当社のすべての機械式時計に適用されるこのベンチマークは、スイス時計工業界で最も厳格な当社の品質規準を保証しています。